スマートタグは、財布や鍵などの紛失防止に役立つ便利なアイテムです。
Apple製の「AirTag(エアタグ)」を使っている人も多いのではないでしょうか。
スマートタグは、スマートフォンと連携させることで、持ち物の位置情報を把握できます。
ということは……「この機能を浮気調査に応用できるのでは?」と考える方もいるはず。
そこで今回は、カード型スマートタグ(いわゆる紛失防止タグ)を実際に使用し、浮気調査の現場でどれだけ使えるかを検証してみました。
調査のプロである探偵が、スマートタグの精度や使い勝手、注意点までリアルにお伝えします。
実際に使ってみた!スマートタグの調査活用レビュー

使用したのはDyoac製のカード型スマートタグ(紛失防止タグ)。
このタグはAmazonでも売れ筋商品として人気が高く、1ヵ月に4000点以上の販売実績があり、レビュー評価も4.0以上と高評価を得ています。
【設定】簡単・初心者にも優しい
セットアップは驚くほど簡単でした。
iPhoneと即ペアリング完了。難しい設定は一切不要です。
こちらのスマートタグはiPhoneの「探す」アプリに対応しています。
基本設定はAirTagと全く同じで、誰でも簡単に設定できると思います。
【精度】建物内や地下でも使える

岡山事務所内にスマートタグを置いてみました。
岡山事務所の住所は、「岡山市北区大供1丁目2-1 クレステージ大供2F」です。
結果はかなり正確で、ほぼ誤差なしで位置を特定できました。

続いて、岡山一番街の駐車場でも検証してみました。

GPSだと電波が届きにくい地下環境ですが、これもほぼ誤差なしです。
これらの結果から、屋内や地下での追跡調査においてスマートタグが十分実用的であることが確認できました。
【実例】岡山→東京の追跡成功
実際に、スマートタグの情報をもとに後から証拠をつかんだケースもあります。
その対象者の旅行日程がわからず、既に新幹線を利用して東京に移動してしまった後でしたが、スマートタグを利用して居場所を特定。
しかも、周囲には複数の宿泊施設がありましたが、居場所がピンポイントで表示され、実際に対象者がそのホテルに滞在していたことが確認できました。
スマートタグのメリットとデメリット
ではこのスマートタグ、実際にはどのように使えるのでしょうか。
メリットとデメリットを交えながらお伝えします。
最大のメリットは薄さ
Dyoac製のカード型スマートタグの大きさは、交通系ICカード(クレジットカード)とほぼ同じです。

そして厚さわずか1.6mm。交通系ICカード約2枚分の厚みです。

この薄さを利用すれば、対象者の私物に忍ばせることができます。
見つかりにくい場所は、カバンの内側。
裏地の縫い目をほどいて内側に入れ込み、元通りに縫ってしまえば見つかるリスクが格段に下がるでしょう。
その他のメリットとして、電池不要であることも挙げられます。
充電やバッテリー交換の心配もないため、長期で忍ばせておくことが可能です。
4つのデメリット
スマートタグには、注意点もあります。
これはDyoac製に限った話ではなく、スマートタグ全般に共通するものです。
①Bluetooth通信が必要
②リアルタイム追跡不可
③見つかるリスクあり
スマートタグは、Bluetoothを使って位置情報を取得するため、Bluetooth通信が可能な機器が近くにないと位置を把握できません。
また同様に、Bluetoothと最後に通信をした場所が表示されるため、現在位置とは異なる場合があります。
さらに、どんなに上手に隠したとしても、見つかるリスクは常にあると考えてください。
最大のデメリットはトラッキング通知で見つかる
4つ目のデメリットですが、ストーカー対策として、iPhoneと紐づいてないスマートタグが一緒に移動している場合、iPhoneにトラッキング通知が表示されます。

トラッキング通知が表示される条件
①BluetoothがON
設定→Bluetoothで、ONとOFFが設定できます。

②位置情報がON
設定→プライバシーとセキュリティ→位置情報サービスで、ONとOFFが設定できます。

③「探す」アプリのトラッキング通知が許可
「探す」アプリ→右下の「自分」をクリック→トラッキング通知をカスタマイズ→通知を許可で、ONとOFFが設定できます。

この3つの条件を満たしていれば、トラッキング通知が表示されます。
スマートタグとGPSの違いは?
スマートタグとGPSを混同している人もいるかと思います。
どちらも位置情報を取得できるという意味では同じですが、その仕組みには大きな違いがあります。
・GPS発信機:人工衛星を使用
・スマートタグ:Bluetoothを使用
GPSの場合、人工衛星からの電波を受信することによりリアルタイムに位置情報を把握できます。
電波の届かない建物内や地下では利用できないので、その点ではスマートタグのほうが優秀です。
一方、スマートタグは、近くにあるスマートフォンとBluetooth接続することにより位置情報を取得します。
ということは、近くにスマートフォン(自分のでも他人のでも)がなければ位置情報の更新ができません。
Androidユーザーは注意!浮気調査に使えないかも
Androidユーザーが使えるスマートタグは限られています。
そのため、Android対応のタグかどうかを事前に確認することをおすすめします。
たとえば、今回紹介したDyoac製のタグはAndroidには対応していません。
また、スマートタグは近くにあるスマートフォンと通信して位置情報を取得しますが、専用アプリをインストールしている人のスマホとしか通信できないという制限があります。
Androidユーザー自体の数が少ないため、期待通りに位置情報を取得できないケースもあるでしょう。
自分も相手もiPhoneユーザーであれば、特に問題はなく活用できます。
スマートタグはGPS代わりとして必要十分
スマートタグは、バッテリーを充電する必要もなく、特にカード型は薄いので、仕込む場所の選択肢が多いのが魅力です。
GPSの場合、たとえ車に設置したとしても、徒歩移動や他の車に乗ってでかけてしまった際には調査不可能です。
しかし、持ち物にスマートタグを忍ばせておけば、後からでも証拠を確保できる可能性があります。
安価に手に入り、使用環境によっては高い精度を発揮するスマートタグ。
GPS代わりとしておすすめできるアイテムです。
法的リスクに注意
スマートタグはGPS同様、法的リスクがつきまとうので、使用には十分注意しましょう。
以下の記事にGPSのリスクを詳しく解説しているので参考にしてみてください。
